献杯という言葉をお聞きになったことはありますでしょうか?
乾杯ではなく、献杯です。
初耳という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
杯をもって行うことは乾杯と同様ですが、祝うためのものかそうではないかという大きな違いがありますので、決して間違えないようにしましょう。
献杯のやり方とタイミング
法事での献杯には正しいやり方というものがあります。
やり方を誤ってしまわないように注意して行いましょう。
献杯は、まず挨拶から始まります。
故人を偲び、思い出を長く語りたくなる気持ちはわかりますが、ここでは挨拶は短めに済ませるようにしましょう。
この挨拶の間、参列者の皆様はずっと待っている状態です。
あなたと故人の思い出を語らう時間は、ここから先も多くあります。
お待ち頂いている皆さんのためにも、ごくごく短時間で挨拶は済ませるようにしましょう。
挨拶が終われば、グラスを目線の位置にまで持ち上げてください。
参列者の方々も同様にグラスを上げたことを確認してから、「献杯」と一声発するようにしましょう。
また、これは、法事の会食にて行われることとなります。
葬儀の後に皆さんが会食の席に着かれたことを確認してから行うようにしましょう。
乾杯との違い
献杯は乾杯の言い間違いではなく、乾杯とは明確に異なるものです。
間違っても混同することのないよう気を付けましょう。
献杯は乾杯のように声高らかに行ったりも、杯同士を打ち合わせて音を鳴らすようなことを行ったりもしません。
あくまでも、故人を想う気持ちを参列者同士で分かち合うためのものです。
そのため、唱和は低く静かに行うようにしましょう。
法事や献杯で使ってはいけない言葉
法事や挨拶の際には、使ってはいけない忌み言葉があります。
絶対にしてはいけないこととして、繰り返しを想起させてしまう言葉は使用しないように注意しましょう。
「たびたび」「重ね重ね」などの繰り返しを想起させる言葉は、死というものが繰り返し起こることにつながると考えられます。
そのため、絶対に使わないようにしましょう。
その他に、当然ですが、「死」「生きる」などの具体的な表現も絶対にしてはいけません。
このような直接的な物言いは、故人への敬意を欠いた言い回しとされ、発するべきでない忌み語と言われています。
また、故人の属されていた宗派や宗教によっても忌み語は存在するため、注意を払うようにしましょう。
故人がキリスト教徒であった場合に、仏教用語での表現をすることは適切ではありませんし、その逆もまた然りでしょう。
故人が属されていた宗教や宗派についても事前に確認し、失礼なく敬意を持った発言・行いができるようにしましょう。
挨拶は長くなり過ぎないようにする
既にお伝えしましたが、長く語る挨拶は決して行わないようにしましょう。
芸能人の方々がお亡くなりになった際、テレビでは長々と故人との思い出を語る方が映ることがあります。
ですが、それは一般的なことではありません。
通常の挨拶は、参列者の方々を待たせたまま話をすることになります。
参列者の方々にとって、献杯は故人を偲ぶためのものであって、あなたと故人の思い出話を聞くためのものではありません。
気持ちはわかりますが、ここでは挨拶は短く済ませられるよう注意しましょう。
おわりに
献杯について、お話ししてまいりました。
献杯やその際の挨拶の時には、守るべき注意点があります。
法事は、故人を敬って行うものであるため、許されない間違いというものもあります。
そのため、誤ってそのような失敗をしてしまうことのないよう、その際の挨拶のポイントについて知っておきましょう。