赤ちゃんの生後100日が過ぎたころに行うお食い初めですが、これは一生食べ物に困らないようにと願いを込めて行う儀式です。
平安時代から伝わる儀式ですが、同時に歯固めの儀式も行われます。
このような大事な儀式にはどんな意味があり、何を用意すればよいのでしょうか。
お食い初めでそろえる道具3つ
正式なお食い初めの儀式を行うには3つの道具が必要とされています。
まず1つ目は祝い箸で、柳の白木箸を用意しておきます。
長さにも決まりがあり、約24cmのものを選んでください。
約24cmというのは八寸なので末広がりを表しているといわれています。
祝い膳も用意しますが、男の子の場合には朱塗りの漆器で、女の子であれば外側が黒で内側が朱色の漆塗りの食器にします。
他にも素焼きの食器が使われることもあるようです。
3つ目は歯固めの石を用意してください。
熱湯で消毒して乾燥させておいた小石を御膳に1個か2個添えましょう。
漆器は比較的高価なため、これだけのために購入するのが難しい場合はレンタルサービスなどを利用するのもよいかもしれません。
お食い初めの「歯固め石」ってどんな意味があるの?
お食い初めの時に行われる歯固めですが、いったいどのような意味が込められているのでしょうか。
これは赤ちゃんに石のような丈夫な歯が生えるように、そして長生きができるようにという意味を込めて、歯固めの石を使って行うものです。
実際に噛ませるのではなく、御膳に添えられた歯固めの石に触れたお箸を、赤ちゃんの歯茎にそっとあててあげます。
入手先はお宮参りに行った時に神社から授かる、あるいは境内からお借りしてお食い初め後に戻すか、近所の氏神様の神社の境内または河原から拾うという方法があります。
どうしても手に入らない場合は、通信販売で手に入れましょう。
持ち帰りやすい大きさのものを選び、神社からお借りした場合は、感謝の気持ちを込め必ず元の場所に戻すようにしてください。
お食い初めの料理
お食い初めで用意されるメニューは、それぞれにちゃんとした意味があります。
基本的には一汁三菜の祝い膳です。
内容は赤飯とお吸い物、鯛と煮物、そして香の物が基本的なメニューです。
赤は魔除けや厄除けの力があるといわれていますので、厄を払い赤ちゃんが元気に成長するようにという意味があります。
鯛は、尾頭付きを用意します。
昔から縁起物として珍重されてきた鯛を赤飯と並べることで、紅白の意味も含んでいるようです。
エビやレンコンの吹き寄せなどの煮物には、長生きをするようにという願いが込められ、地方によってはタコが入ることもあります。
香の物は、キュウリやナスのさっぱりとした漬物にしましょう。
お吸い物は、大ぶりの蛤を使用した潮汁を用意しましょう。
これは貝合わせといって、二枚貝の蛤は良縁を示す象徴として使われ、将来伴侶に恵まれるようにという願いが込められています。
お食い初め用の仕出しがあります
お食い初め用の料理は、それほど難しいものではありませんが、鯛の尾頭付きや蛤のお吸い物は少し手間がかかってしまうかもしれません。
かわいい我が子のために自宅で作ってあげたいと考える方も多いでしょうが、すべて料理するのが難しい場合は、一部をお店で用意してもらうのも1つの手段です。
最近では自宅で準備しなくても、お食い初め用にすべてがセットになったものが販売されています。
このようなお取り寄せやケータリング、お食い初め用の仕出しを行っている会社もありますので、利用してみてはどうでしょうか。
赤ちゃんは実際に食べるのではなく、あくまでも食べる真似をするだけです。
子育てで疲れているお母さんの負担にならないよう、近くの仕出しなどを利用してご家族全員で食事を楽しんでください。
おわりに
お食い初めはミルクだけを飲んでいた我が子が、離乳期に入っていく大切な時期で、一生に1度の行事です。ご家族にとってもとても嬉しいことでしょう。
この行事には食べさせる順番などの決まり事がありますから、決まり事を守りつつ願いを込めて行ってください。
記念に写真を撮ったり全員で御膳を楽しんだりして、すてきなお食い初めにしましょう。