仕出し弁当の中でも、特に高い人気があるのが幕の内弁当です。
弁当の中に入っているさまざまな具材を一度に楽しめることから子どもから大人まで幅広い世代に人気があります。
ここでは、幕の内弁当の名前についての由来や変遷について詳しく紹介します。
幕の内弁当の由来は?
幕の内弁当という名前の由来にはさまざまな説があります。
特に有名なのが、芝居の行われる劇場にかけられている幕に関連したものです。
幕の内という言葉は芝居前の幕がまだ上がっていない時間のことを意味しますが、この幕の内の時間に観客が食べた弁当であるということから、幕の内弁当と名前がつけられたという説が有力です。
同じように芝居に関連した由来としては、観客ではなくて芝居に出演する役者が幕の内の時間、つまり芝居前に食べた弁当であることから、幕の内弁当と名前がつけられたという説もあります。
幕の内という言葉には、幕が下がっている場所の内側という意味もあり、幕の内側で役者が食べたことから幕の内弁当と名前がつけられたという話も有力です。
また弁当に入っているおむすびを相撲の幕内力士の小結(こむすび)とひっかけて、幕の内弁当と名前がつけられたという説もあります。
このように幕の内弁当は、さまざまな名前の由来を持っています。
幕の内弁当の変遷とは
幕の内弁当には時代によって大きくその内容が変わっていった歴史があります。
一般的に食べられるようになったのは江戸時代の後期からですが、当時はごはんにおにぎりが使用されているのが一般的でした。
おにぎりでない普通のご飯が使われだしたのは明治時代ごろからで、鉄道の普及とも関係しています。
鉄道が全国に設置されるようになると、車内で食べられる駅弁も全国で販売されるようになりましたが、その中で幕の内スタイルの弁当も広く作られました。
そうした弁当にもおにぎりが使われているものが多かったのですが、次第におにぎりではなく握っていないお米をそのまま弁当に詰めていく方法が広まっていきました。
20世紀の後半になるとコンビニエンスストアなどでも販売されるようになり、今では宅配サービスなどでも購入できるようになっています。
幕の内弁当の定義を知ろう
幕の内弁当の定義は、他の弁当とは異なりご飯とおかずが別々に分かれていることです。
おかずが一種類だけのものは除かれて、複数のおかずが一つの弁当箱に入っているのが幕の内弁当の特徴です。
また使用されているご飯が白いお米であることも、特徴の一つにあげられます。
炊き込みご飯などが使われているものを含めるかどうかは諸説ありますが、一般的には白米が詰められているものがそう呼ばれています。
ご飯もそのままの状態でなく、おにぎりにしたものが詰められるのが本来の状態とされていますが、現在では握らずにお米が詰められたものも幕の内弁当と呼ばれています。
握るかわりにお米が俵状に小さく分けられているものも多く、ご飯の上にごましおがかけられていることもよくあります。
おかずには焼き魚や卵焼きなどが多く使用されています。
仕出し弁当の代表格 幕の内弁当!
幕の内弁当は仕出し弁当としても人気が高い弁当です。
屋内だけでなく屋外でも食べやすい仕出し弁当はさまざまな場面で利用されています。
仕出し弁当を製造している会社によっても、配達しているエリアは異なりますが、幅広い地域で配達しているお店もあります。
会社の会議や屋外で行われるイベントなど、さまざまな用途で使用することができます。
簡単に注文ができるのも仕出し弁当の魅力の一つで、電話やメールなどさまざまな方法で注文できるお店もあります。
具材がたくさん入っていることから料理としても魅力があり、さまざまな年齢や性別の人が一度に集まるイベントなどでも、出しやすいのが特徴です。
好きなおかずを選んで気軽に食べられる手軽さが人気の理由です。
おわりに
幕の内弁当は昔から食べられてきた日本の伝統ある弁当です。
さまざまな具材が一つの弁当箱の中に詰められているので、見た目も華やかで誰からも愛される弁当です。
仕出し弁当としてもよく使われていて、おかずの種類が多いので幅広い世代の方が食べやすい弁当です。
白米とおかずを一緒に食べることができるのも魅力で、幕の内弁当を食べていると家庭でご飯を食べているような安心感を得ることができます。